上司はやはり相談しにくい?
先輩社員が後輩社員の相談役となり育成を手助 けする「メンター制度」が、企業に広がってきた。直属の上司ではない先輩社員に、気軽に相談や助言を求められる点がメリットだ。日本の“ムラ社会”の長所 に通じるとの指摘もあり、女性管理職や新人社員の育成で効果を発揮している。
「完璧を求めなければ、仕事と家庭の両立は可能と気付いた」「やりたい仕事のビジョンがみえた」
大ガスは今年5月、主任格以上で入社10年以内の女性総合職全員を対象に、メンター制度を導入。他部署の課長級以上の先輩社員がメンターとなり、月1回 懇談している。管理職に向けた中長期のキャリアを描いてもらうのが目的で、「昔なら他部署の先輩が飲みに誘うこともあったが、相談相手を増やす機会をつく る」(ダイバーシティ推進チーム)狙いもある。
エネルギー事業部の松本希さん(29)は「出産、育児などの人生設計で悩んだが、上司に家庭のことばかり相談すると、仕事への意欲がないと思われそう。経験豊富なメンターとの話は参考になる」と話す。
大ガスはメンター制度の活用で、現在2%程度の女性管理職比率を平成32年までに5%以上に引き上げることを目指している。
食品製造のカネテツデリカフーズ(神戸市)は、新入社員に2~3年先輩の社員をメンターにつけ、プライベートな相談にも乗らせた。「年齢の近い先輩がつ くことで、指導内容が身に付きやすい」(同社)といい、50%超に達した年もあった離職率(入社3年以内)は、ここ数年は数%程度と劇的に改善した。
日経平均3日続落で1万5500円割れ、円安一服が重荷
東京株式市場で日経平均は3日続落。9月1日以来1カ月超ぶりに節目の1万5500円を下回った。9月16─17日開催の米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事要旨で低金利政策の長期化が示唆され、米国株が大幅反発。この流れを受け、日経平均は朝方に一時136円高となった。
ただ、昼過ぎにドル/円<JPY=EBS>が108円を割り込むと後場にマイナス転換。海外ファンドによる日本株売りも警戒され、引けにかけ軟化した。
前日の米ダウ<.DJI>が274ドル高となったにも関わらず、日本株の地合いは弱かった。米早期利上げ観測の後退による米株高は追い風だが、米金利が低下し、ドルの上値が重いなかでは日本株を買う動きは鈍いという。きょう8月期決算の発表が予定されているファーストリテが前日比1.5%上昇し、日経平均を約21円押し上げたが、東証1部の9割弱が値を下げ、全般はさえない展開となった。
海外ファンドによる日本株売りを指摘する声も多い。寄り付き前の外資系証券6社経由の注文状況はきょうで9日連続の売り越しとなった。10月は海外ファン ドの換金売りなどが出やすいとされ、「ヘッジファンドなど短期筋が便乗し、実需・先物ともに売りが出ている」(岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英 之氏)という。あすのオプションSQ(特別清算指数)算出を前にポジション調整の動きも観測された。
寄り付き前に内閣府が発表した8月機械受注統計は、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた国内民需の受注額(季節調整値)が前月比4.7%増とな り、事前予想の0.9%増を大きく上回った。ただ「もともとブレの大きい指標」(国内証券)とみられ、市場への影響は限定された。
Jディスプレイやダスキン下落、ファナック上昇
ニトリホールディングス(9843):6.5%高の6750円。3-8月期の連結営業利益は前年同期比20%増の375億円、と25日発表。従来計画は 300億円。原材料の見直しや商品入れ替えによる原価率の低減、高付加価値商品の開発が寄与した。SMBC日興証券は投資判断を「アンダーパフォーム」か ら「中立」に、目標株価を5800円から6200円に引き上げた。売り上げ、粗利率ともポジティブサプライズとした。
NSユナイテッド海運(9110):1.9%高の272円。4-9月期の連結営業利益計画を47億円から52億円に25日上方修正した。前年同期は41億4300万円。円安や配船効率の向上、燃料費削減などが奏功した。
CFSコーポレーション(8229):5.9%高の630円。15年2月期の単独税引き利益は従来予想の5億円を上回る12億円前後になりそうと26日付 の日本経済新聞朝刊が報道。店舗改装の効果が見込めるほか減損損失が計画より減るという。同社は売上高、営業利益ともに堅調で業績予想の上方修正を検討し ている、と26日午前に資料でコメントを発表した。
N・フィールド(6077):6%高の4090円。10月23日時点の株主を対象に1株を2株に分割する、と25日発表。最低投資金額の低下による投資家層の広がりが見込まれた。
錦織選手はジャガー「Fタイプ コンバーチブル」に
全米オープンテニスで準優勝した錦織圭選手(24)が英自動車ブランド「ジャガー」のアンバサダー(PR大使)に起用され、2014年9月17日に都内で記者発表会が開かれた。
通常、企業が有名人を起用する際は広告代理店などを通じて人選を行うのが一般的だが、錦織選手は「こちらからジャガーさんにアタックしました」と明かした。スポーツ選手の側から起用を売り込むのは珍しい。
「ルックスのするどさに加えてパワーもすごくある」
錦織選手は壇上で、スポーツカー「Fタイプ コンバーチブル」を前に、アンバサダー起用の経緯について
「米国で試乗したときに本当に一目ぼれしてしまい、ジャガーが好きになって『乗りたいな』という思いがあったので、こちら側からジャガーさんにアタックしました」
と明かした。錦織選手が惜しくも敗れた全米オープンの決勝が行われたのは9月9日(日本時間)で、発表会の告知が報道各社に送られたのは5日も前の9月4日だった。全米オープンよりも、かなり前の段階で起用が決まっていたことがうかがえる。
自らとジャガーの共通点についても、錦織選手は
「ジャガーはルックスの鋭どさに加えてパワーもすごくある。僕はフットワークを得意にしているので、俊敏さというのは通じるところがある」
などとアピール。錦織選手はFタイプの中でも最上位車種の「V8 S コンバーチブル」をすでに発注しており、
「早く乗りたい気持ちでいっぱい」
と納車を心待ちにしていた。
錦織選手は、車体に「No1. Game Changer」とサイン。「Game Changer」は「流れを一気に変えるような活躍をする選手」の意だ。
「長い道のりにはなると思うが、ナンバーワンになれるように、これからも頑張りたい」
と改めて世界一を目指すことを誓っていた。